結構難しい!PETGフィラメントを使いこなす考え方

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ツール

 

PETGフィラメントは

PLAより柔らかく、ヤスリなどで削りやすく、強度が高い、

 

しかもABSよりも反りにくく、造形が上手く綺麗にしやすい。

 

弱点といえば糸引きがしやすいというくらい。

 

という代表的な3Dプリンターのフィラメントの

2つのいいとこ取りをしたような素晴らしいフィラメントという噂がありますが、

 

実際どうなの?というところを今回は見ていこうと思います!

 

 

PETGフィラメントを使ってみたい方、

PETGをトラブルなく使いたい方などの参考になるかと思いますので

是非最後まで読んでいってください。

 

 

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PETGの性質

 

PETGの特性は、

光沢と透明度があり、強度も強い。

また、造形難易度がABSよりも低いという性質があります。

 

 

 

しかし、UV光に弱く劣化しやすいこと、

ベッド(プラットフォーム)への食いつきが弱いこと、

糸引きが起こりやすいことなどが弱点になります。

 

 

上がABSで下がPETG↓

 

PETGは光沢があり、透明度も高いですが、

糸引きが多いですね。

 

検証

 

 

今回購入したのは、RepRapperのPETGフィラメント

 

 

 

 

 

フィラメントの他にベッドに貼るビルドシートと
ノズル掃除器具が付いてきました!

 

 

ありがとう~



 

印刷に使う3Dプリンターは

FlashForgeのAdventure3Xです!

 

Adventure3Xはベッド(プラットフォーム)が100℃まで加熱可能で

エクストルーダはボーデンタイプです。

(PETGの印刷はダイレクトエクストルーダの方がいいかも)

 

 

3Dプリンターのスペックの違いについて
詳しくは、こちらの記事で書いていますので

良かったら読んでみてください!

 

 

印刷設定

 

 

PETGを印刷する際に重視すべき設定は

印刷温度、ベッドの温度、ベッドの材質、パスの幅、積層ピッチ、

フィラメントの引き戻し設定、あとは、サポート材やラフトの設定かと思います。

 

突き詰めればシンプルな設定でうまく印刷できるのかなとは思いますが、

今回はPETGの印刷で失敗したくないよ、という方に向け、

ここを気を付ければまずうまくいくんじゃない?

 

という重要な設定項目を紹介します。

 

 

 

印刷温度

 

 

印刷温度は、メーカーの推奨温度を試すべきですが、

メーカーによって推奨する温度の幅が広い場合があります。

 

例えば今回僕が購入したRepRapperのPETGの出力推奨温度は

220℃~260℃と幅が広すぎるため、

中間の240℃からスタートし、

 

ベッドへの食いつきや、積層間の食いつきが

甘い場合は5℃ずつ上げていき

 

逆に熱しすぎて出力された樹脂に気泡が出るなどの

問題が出たときは5℃ずつ温度を下げていくのがベストだと思います。

 

 

 

ベッドの温度

 

 

PETGを印刷する際のベッド温度は、

60℃~80℃くらいが一般的です。

 

しかし、PETG造形物の反りがひどいなと思った時は

100度程まで上げても問題なく出力はできます。

 

ベッドの温度が高いほど、

出力されたPETGがゆっくりと冷えるため、

急激な温度変化による収縮を抑えられ、

大きく反ることを防ぐことにベッドの温度が一役買ってくれます。

 

 

しかし、前述した印刷温度の設定をしっかりやっていなかったり、

この後に出てくるラフトやサポート材がない場合は、

いくらベッドの温度だけ上げても改善はほとんど見られませんので、

 

ベッドの温度で改善されない場合は、

造形を成功させるための基本設定をしっかりやっておきましょう。

 

 

ベッドの材質

 

ベッドの材質は3Dプリンターによって異なるかと思います。

 

例えば、ザラザラしていたり

ガラスのようにツルツルだったり。

 

PETGはベッドに定着し辛い感じがありましたので、

ツルツルよりもザラザラの表面のベッド方が印刷はうまくいきました。

 

 

ザラザラなベッドがない方は、

マスキングテープをベッドに貼ったり、

スティックのりを塗るなどの対策をしてみてください。

 

僕が最近試したのは

ブルーテープというものをベッドに貼る方法です。

僕が購入したのは↓のブルーテープです。


 

レビューを見るとわかりますが、この3M scotch ブルーテープを

3Dプリンター用に購入している方は結構多いようです。

 

 

使用感としては、造形の成功率を上げるには結構アリ!

といったところです。

 

しかし、

 

造形物が反ることでの失敗の数は減りましたが、

部屋の温度やらなにやらの影響で、

 

たまに反ってしまうことはあったので、

100%反りを防げるわけではないようです。

 

 

しかし、対策は色々講じているが、

何か1つ足りない気がする!

 

という方は、ブルーテープを試してみる価値はあると思います。

 

逆にベッドの材質も印刷温度やサポート材、ラフトの設定がしっかりしていないと、

どれだけベッドの材質にこだわっても意味がない場合がありますので、ご注意ください。

 

 

 

 

パスの幅

 

 

パスの幅とは、

線の幅です。

 

デフォルトの場合、パスの幅はノズル径になります。

 

(0.4mmのノズルならパスの幅は0.4mm)

 

 

パスの幅が太いほど、接着する範囲が広がり

樹脂同士の食いつきがよくなり、ベッドからの剥離や

温度変化での収縮による割れなどが起こりにくくなります。

 

 

しかし、パスの幅を太くした分造形精度が落ちますので注意が必要です。

 

造形精度が落ちるといってもパスの幅0.4mmから0.5mmに変更したところで、

見た目に大した変化は見られませんでした。

 

 

僕はルアーを作っているので、

塗装のため、表面処理で表面を削るので、

パスの幅はうまく定着してくれればどっちでも良しです。(笑)

 

 

それでも0.1mm程度の差であれば

全くと言っていいほど見た目の変化は現れませんので、

ノズル径を太くし、パスの幅を広げるのは試す価値があります。

 


積層ピッチ

 

 

積層ピッチは、積み重ねた層と、その次の層を出すノズルの距離です。

 

積層ピッチが小さいほど、層の数は増え、造形精度が上がり、層同士の定着が強くなります。

 

 

逆に積層ピッチが大きいと、層の数は減り、層同士の定着は弱めになりますが、

造形時間は減ります。

 

 

PETGの失敗は、樹脂の定着不足であることが多いので、

積層ピッチは小さめがいいのかなと思います。

 

これはABSにも言えますね。

 

僕の場合小さいものだと、積層ピッチは0.1mmにしています。

 

大きくても0.18mmは超えないようにしています。

 

参考程度にどうぞ!

 

 

フィラメントの引き戻し設定

 

フィラメントの引き戻し設定とは

樹脂を出す必要がない箇所、

 

例えば、柱と柱の間などをヘッドが移動する時に、

フィラメントをエクストルーダーでノズルから引き戻し、

糸引きなどを防ぐ設定です。

 

 

印刷温度が高すぎたりする場合、

PETGは特に、引き戻し設定をしないと、

 

糸引きがすごいことになります。

 

なので、引き戻し設定はPETGを印刷する時はONにしておきましょう。

 

 

糸引きは、造形温度でも調節できます。

糸引きが多いときはまず、造形温度を少し下げてみるのも基本的な方法です。

 

それでも糸引きが起こる時は、

造形物が完成した後に、

ターボライターなどで糸引き部分を一瞬炙れば、

糸だけ溶けて綺麗になるので、

 

炙ることで糸引きの糸を消すことも考えてみてください!

 

 

サポートやラフトを設定する。

 

PETGの印刷で失敗したくないなら、

必ずサポート材やラフトを設定しておくことをお勧めします。

 

 

PETGはABSよりも造形しやすいとよく聞きますが、

試しに1つの同じデータをABSとPETGでサポートとラフト無しで造形してみたところ、

 

明らかにPETGの方が反っていたという事があったので、

 

特に薄いものなんかは、

かなり反り易いので、サポート材とラフトを設定してみてください。

 

 

サポート材とラフトを設定すると、

造形に時間がかかりますが、

失敗する可能性はかなり低くなります。

 

 

 

また、サポート材に大事なPETGフィラメントを使いたくないよ!

という方は、デュアルヘッドの3Dプリンターを使い、

PVAフィラメントという水に溶けるサポート材用のフィラメントで

サポート材を作るのが良いと思います。

 

 

3Dプリンターの種類に関しては↓の記事を参照ください。

 

3Dプリンターの重視すべきスペック

 

まとめ

 

 

PETGはABSの強度とPLAの造形のしやすさが両立したフィラメントであるという情報が多いですが、

 

PETGを使うにあたり、
起こりうる不具合は、

①、糸引き

②、ベッドへの定着

の2つが多く、

 

それらの対策として

PETG素材でうまく作品を造形するために大切な設定は

 

①印刷温度(定着、糸引き)

 

②サポート材やラフトの設定(定着)

 

③パスの幅(定着)

 

④フィラメントの引き戻し設定(糸引き)

 

⑤積層ピッチ(定着)

 

⑥ベッドの材質(定着)

 

⑦ベッドの温度(定着)

の7つです。

()内は影響する不具合です。

 

 

 

これらの設定をしてもPETGがベッドに定着しない場合は、

ノズルがベッドから遠すぎる可能性があるので、

お持ちの各3Dプリンターの調整方法でそこを調節してみてください。

 

 

以上、読んで頂きありがとうございました!

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