熱溶解積層式(FDM式)家庭用3Dプリンターの購入を考えている方へ、
3Dプリンターを購入したいけど、
どんなものを買ったらいいのか分からない方や、
本記事読んで頂くと、
積層式3Dプリンターの選び方について、
・積層式3Dプリンターにはどんな種類があるのか? ・機種のスペックによってできることとできないことはあるのか? ・積層式3Dプリンターを選ぶときに重視すべきスペック
を知ることができます。
熱溶解積層式3Dプリンターを購入する際に役立つ情報となっていますので、
是非最後までご覧ください。
熱溶解積層式(FDM式)家庭用3Dプリンターの選び方
そもそも熱溶解積層式(FDM式)3Dプリンターとは?
熱溶解積層式(FDM式)3Dプリンターは
材料を熱で溶かし、溶けた材料をノズルから出し
積み重ねて物を造形するタイプの3Dプリンターです。
材料(フィラメント)の種類が豊富であり、
かつ材料の管理も比較的楽であることから、
3Dプリンターを初めて購入する方にはおススメの方式です。
FDM式の他に
光造形式などがありますが、
今回は、初心者にお勧めなFDM式の3Dプリンターについて触れていきます。
重要スペック①造形温度
積層式3Dプリンターはモノを印刷する際に温度が上がる場所は2か所あります。
①樹脂が出てくるヘッド
②出てきた樹脂が乗っかるプラットフォーム
です。
3Dプリンターの材料をフィラメントと言いますが、
フィラメントにも沢山種類があり、
熱によって溶かして積み重ねていくのですが、
その溶ける温度が素材によって違います。
各3Dプリンターで対応している素材は基本的に
ヘッドの最大温度で、素材を柔らかく溶かすことができるかどうかが決まります。
製品のスペック表には、
ホットエンド温度や
ノズル最大温度などと表記されます。
造形最大温度が表記されていない製品もありますが、
その場合は、対応しているフィラメントが記載されています。
PLA、ABS、PETGが対応しているものは
大体230度~270度程度まで。
それ+PC素材の印刷が可能なものは
300度程度の造形温度があります。
造形温度が高ければそれだけ値段も高い傾向があります。
ヘッドから出た樹脂は材料によって
冷えると縮み、大きく反りやすい材料があります。(ABSなど)
これを防ぐために、出てきたフィラメントを
ある程度の温度で温め続けるために、プラットフォームの温度も上げる必要があります。
しかし、機種によってはプラットフォームの過熱ができない物もあるので、
ABS樹脂など、反りやすいものを印刷したい方にはプラットフォームが
過熱される機種をお勧めしますが、
プラットフォームが過熱されない機種であっても、
造形の設定を変えるか、プラットフォームにスティックのりを
塗ることで反り対策も可能です。
重要スペック②ヘッド数
ヘッドの数=1度の印刷で使える材料の数になります。
家庭用の積層式3Dプリンターは、
ヘッドが1つのシングルヘッドタイプと、
ヘッドが2つのデュアルヘッドタイプの2種類のものが多いですが、
ヘッドの数が1つと2つで使い勝手にどんな違いがあるかというと、
ヘッドが2つのデュアルヘッドタイプの方が造形後の処理が楽になる
という事です。
どういうことかというと、
3Dプリンターは、材料を積み重ねていくため、
宙に浮いたものをそのまま印刷することはできません。
そのために、宙に浮いてる部分や
直角になっている形状を造形する時に柱が必要になります。
例えばこんなT字の造形物(赤)を印刷するとします。
両脇に広がった横棒の部分を造形するには
積み重ねるための、支えの柱(緑)が必要になります。
この柱をサポート材と呼びます。
このサポート材はシングルヘッドだと
造形したい部分と同じ素材になるため、
硬い素材を使うと除去するのが結構手間です。
一方デュアルヘッドタイプは
造形したい物とサポート材の素材を分けることができます。
今は水に溶ける素材や剝がれやすい素材がサポート材用として販売されていますので、
その素材をサポート材に設定することで
造形後の処理を簡単に、しかもきれいに行うことができます。
これがデュアルヘッドタイプの最大のメリットです。
しかし、デュアルヘッドはヘッド部分が大きくなるため、
シングルヘッドと比べて、造形範囲が小さくなるか
3Dプリンター自体の大きさが大きくなります。
また、ヘッド部が重いことで、造形中にヘッドがブレてしまい、
造形物に変な線が出てしまうことがあります。
(デュアルヘッドでもそれぞれのヘッドが独立したタイプもある)
そして、シングルヘッドの物よりも
デュアルヘッドの物の方が値段が高いです。
重要スペック③エクストルーダの位置
エクストルーダとは、
フィラメントをヘッドに送り込むローラーの事です。
このエクストルーダがヘッド直近についているか、
離れているかによって、それぞれメリットとデメリットがあります。
・エクストルーダがヘッドに内蔵されているものを
ダイレクトエクストルーダタイプ
・エクストルーダがヘッドから離れた場所にあるものを
ボーデンエクストルーダタイプと言います。
①ヘッドに直接エクストルーダが付いているため、
フィラメントの押し出しが安定します。
②ノズルとエクストルーダが近いため、
柔らかいゴムのようなフィラメントもスムーズにノズルへ運ばれるため、
使用を推奨できるフィラメントの種類が多いです。
①ヘッドが大きくなるため、
造形範囲が狭まるか、3Dプリンター自体が大きくなります。
②ヘッドの重みのせいで急なヘッドの動きで
ノズルがブレてしまい、造形物にブレた分の模様が付くこともあります。
(造形スピードを少し落とすなど対策をすれば改善します。)
①ヘッドが小さいため、造形範囲が広く、
3Dプリンターのサイズが小さくても同じ大きさのダイレクトタイプよりも
大きな物が印刷可能です。
②ヘッドが軽いため、急な動きでもブレにくく造形は安定します。
①ダイレクトタイプと反対で、柔らかいゴムのようなフィラメント(TPUなど)
を印刷する際に、ヘッドとエクストルーダの距離が長く、
摩擦が生じてフィラメントが詰まる可能性があります。
したがって、推奨できるフィラメントの種類が若干少ないです。
(ボーデンタイプでもゴムライクのフィラメントを印刷できなくはないですが、
使用は自己責任でお願いします。)
まとめ
熱溶解式3Dプリンターを選ぶときに
重視すべきスペックを書いていきました。
①造形温度
ヘッドの上限温度によって造形できる素材が変わる。
造形温度の上限が高いものほど、
使用できるフィラメントの種類が豊富になる。
が価格も上がる。
②ヘッドの数
主にヘッドの数が1つの物(シングルヘッド)と
2つの物(デュアルヘッド)がある。
ヘッドの数=1度の造形品で使える材料の数。
・デュアルヘッドだと2種類の材料で造形できるが、
ヘッドが大きく重く、造形範囲が狭まったりヘッドがブレることがある。
・シングルヘッドは1度に1種類の材料しか扱えないが、
ヘッド部が軽いため造形範囲が広く、安定した造形が可能。
シングルヘッドよりも
デュアルヘッドの方が値段が高い。
③エクストルーダの位置
エクストルーダがヘッドに内蔵された物はダイレクトタイプ
ダイレクトタイプは使用を推奨できるフィラメントの種類が多いが、
ヘッドが大きく重くなる。
エクストルーダがヘッドから離れた場所にあるものはボーデンタイプ
ボーデンタイプは使用を推奨できるフィラメントが若干少ないが、
ヘッドが軽量化され造形範囲が広くなる。
これらの要素からご自身が印刷したいものに合わせて
FDM式3Dプリンターを選んでみてはいかがでしょうか!
最後に
いかがでしたでしょうか?
同じFDM式3Dプリンターでも、物によって結構違いがあります。
僕が実際に買って使用しているのは
Flash Forge社の「Adventure3X」というFDM式3Dプリンターなのですが、
この機種は、
ホットエンド最大温度が240度で
プラットフォームが100度まで加熱可能、
ヘッド数は1のシングルヘッド、
ボーデンエクストルーダタイプ
の機種なのですが、実際に3Dプリンターを持って使ってみて
見えてきた重視すべきスペックを今回まとめてみました!
本記事がFDM式3Dプリンターを購入を考えている方の参考になれば幸いです。
具体的なおススメ3Dプリンターは↓記事に
おススメする理由とともにまとめてありますのでこちらもご参照ください。
以上!読んで頂きありがとうございました!
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